2023/04/18 09:00

「命は命で元気になる」。京都[発酵食堂カモシカ]が伝える発酵食品の素晴らしさ。

カモシカ食堂
カモシカ食堂
カモシカ食堂
カモシカ食堂
[発酵食堂カモシカ]は、京都・嵐山のほど近くに店を構える発酵食品専門店です。建物1階に[発酵食堂カモシカ]、2階に[発酵マルシェ]を構え、そこから徒歩30秒の距離に位置するラボでは『生甘酒』、『麹納豆』などさまざまな商品を作っています。そんな[発酵食堂カモシカ]の理念は「命は命で元気になる」。この命とは、人間と、発酵食品のなかに存在する微生物の命のことを指しています。
「すべての発酵食品は、素材のなかで微生物が働くことで人間だけでは成し得ない深みのあるおいしい味が生まれます。さらに、栄養価が上がる。微生物の力で生まれたおいしい食べ物で人間の体を元気にしたい、と考えています」とは、代表取締役の関 恵さんの言葉。関さんの発酵食品にかける想いを聞きました。
食堂は出会いの場。お客さまが発酵食品を身近に感じるきっかけを作る。

食堂は出会いの場。お客さまが発酵食品を身近に感じるきっかけを作る。

まずは、1階の[発酵食堂カモシカ]から見学させていただきました。入店してまず目に入るのが、木の棚にずらりと並ぶ保存瓶の数々。いずれも、ザワークラウトや柚子胡椒など自家製の発酵食品です。注文した料理を待つあいだ、これらの瓶を眺めているだけでも楽しい気分になります。
「お客さまが発酵食品を身近に感じるきっかけになるよう、あえて目に入る位置に保存瓶を並べています」と、関さん。「料理を食べて『おいしい!』と感じたら、その後にまたこの瓶を見て『自分の家でも発酵食品を作ってみようかな』と思ってくださるかもしれないと期待しています。なぜなら、ここに並ぶ自家製の発酵食品のほとんどが、瓶の中に材料を入れておくだけで完成する簡単なものばかりだからです」。
随所に光る職人技。素材本来のおいしさを引き出した、毎日でも食べられる自然な味。

食堂のメニューを通じて発酵食品のおいしい食べ方を提案する。家庭の食卓につなげる2つのステップ。

次に、食堂の人気メニュー『発酵8種定食』を試食させていただきました。お盆に並ぶのは、発酵8種盛りや旬の自家製ぬか漬けに、京白味噌のお汁といった発酵食品の数々。どれも発酵食品特有の深みのある味わいや、旨みが口いっぱいに広がります。
食堂のメニューのうち『ぬか漬け』や『季節の酵素ジュース』などはテイクアウトも可能。あるいは「自分で発酵食品を作ってみよう」と興味が湧いたら、2階の[発酵マルシェ]で材料や道具を買い揃えることもできます。
「食堂で実際に食べて発酵食品のおいしさを知ってもらい、テイクアウトかマルシェで自宅に発酵食品を持ち帰る。そんなふうにして、お客さまの生活に発酵食品が浸透していけばいいなと思っています」と、関さんは話します。
自宅で発酵食品を楽しんでほしい。そんな想いから生まれた[発酵マルシェ]。

自宅で発酵食品を楽しんでほしい。そんな想いから生まれた[発酵マルシェ]。

次は建物2階の[発酵マルシェ]を見学させていただきました。ぬか床の手作りキットや保存瓶など、発酵食品作るときに必要な道具がここで揃います。そのほかに自家製の『玄米甘酒ドレッシング』、全国から仕入れた魚醤や醤油など便利な発酵食品も並んでいます。
「味噌や醤油、ぬか漬けなどの発酵食品は日本の伝統食品です。味もおいしく栄養価も高く、保存食としても活躍するこの素晴らしい食文化を途切れさせないよう、このマルシェを『発酵食を台所に取り戻す』ための場にしたい」と、関さん。マルシェでは発酵食品に関する情報を詰め込んだオリジナルのフリーペーパーを配布しているほか、お店の方に相談すれば、自宅で発酵食品を作る際のアドバイスをもらうこともできます。
自身の体験から生まれた、発酵食品に対する熱い想い。

自身の体験から生まれた、発酵食品に対する熱い想い。

そもそも、関さんがこんなにも発酵食品に惹かれたきっかけはなんだったのでしょうか。
お話をお聞きすると、ご両親が薬剤師で、子どものころから健康に深い関心があったことがわかりました。成長する過程で自分でも勉強するうちに、関さんは特に予防医学に興味を持ったそう。
症状が現れてから薬を飲んで治すのではなく、日頃から丈夫な体づくりに励んで健康を維持したい。そんなことを思っていた矢先、出産・育児を体験してより一層、健康な体づくりに興味を持つようになったといいます。「そして行き着いたのが、食でした」と、関さん。丈夫な体を作る、良い食事をとること。それがもっとも簡単で、楽しく、長続きしやすい健康法なのだと。やがて知ったのが、発酵食品の素晴らしさだったのだといいます。

まずは、おいしい!楽しい!から。伝統の継承や健康への意識は、後づけでいい。

「子どもができるまでは、私も仕事が忙しくて食事をおろそかにすることもありました。当時の自分は、食から健康になりたいけれど、自炊する余裕もないし、かといって、どんな食べ物を選んで買えばいいのかもわからなかった。発酵食品に関する知識を得たいま、あの頃の私と同じように迷ったり悩んだりしている人の力になれたら」と、関さんは話します。ただし、関さんが大切にしているのは、まずは「おいしい!」と感じてもらうことだといいます。
「おいしい、と心の底から感じるからこそ毎日食べ続けるようになって、その結果として体調が整ってくる。体にいいという実感を得られることによって、より一層発酵食品を日々の生活に取り入れるようになり、やがて当たり前のように食卓に発酵食品が並ぶようになり、最終的に文化の継承につながっていく。それが理想形だと思っています」。
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